季刊誌『季刊アスタ』(ポプラ社)で連載中の大島真寿美さんが本を紹介するエッセイ「本の森には…」にて挿絵を担当しております。その1月号が発行されてます。お知らせが遅くなりました。。
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タイトルロゴを新しくしたいなあとずっと思っていて長いあいだ試行錯誤していましたが、やっとなんとか頭の中にぼんやり思い描いていた感じを表現できたので、大島さんと編集のかたとデザイナーのかたにお願いしてこの回から新しいロゴに変えていただきました。以前大島さんからこの扉のページは自由にやってくださいという寛大なお言葉をいただいて、私自身の気持ちが少し軽やかになれたような視野が広がったような感覚になり、楽しんで描いたロゴです。どうぞよろしくお願いします。
今回紹介された本は芥川賞受賞作品。とても刺激的で切なくて力強くて愛おしい、ぎゅーっと心臓を掴まれた気分でした。
手に取ってご覧いただけましたら有り難いです。
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旧年中はご厚誼を賜りましてありがとうございました。
本年の皆さまのお幸せを心よりお祈り申し上げます。
辰年に因んだ龍に平和の願いを込めて描いた絵です。
元旦からたいへんな災害が起こり、立て続けにショックなニュースに触れて胸が痛いです。
被災された方々が少しでも早くお心の休まる時が来ますように、心よりお祈りいたします。
改めて、自分にできることを考える年始になりました。
未来を考えて足元からしっかり一つ一つ組み立てることから始める一年にしたいと思います。
毎度のことですが、年賀状作りが遅すぎてやっと昨日ポストに投函いたしました。
近頃は郵便での年賀状をやめたという友達もいたりして、「年賀状」というものの在り方が変化している時なのかなあなどと考えつつ。
私の場合は絵を描く仕事なのでまだ紙による年賀状のやり取りを続けさせてもらいたいと思っておりますが、年賀状を送られた相手は返事を返さなければいけないと負担を感じさせてしまうかもしれず、それもまたご迷惑になってしまいそうで悩むところでもあり。松の内も終わるころなのに。。
そんなこんなで、今年は年賀状を頂いた方にのみ送らせていただきました。
(お世話になっております皆さまへの不義理をお詫びいたします…)
こんな私ですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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『私の源氏物語ノート』(理論社)
公開されていた12のエッセイに新しい書き下ろしが加えられています。
その単行本の装画を描かせていただきました。
源氏物語の謎解きや平安時代の人々の思考の様子など深いところまで理解が導かれるような一冊で、古典に詳しくない私でもとても面白く読むことができました。
装画は源氏物語の中の源氏の住まいである六条院にならって四季に因んだ植物を配して、源氏物語お馴染みの子猫や雀なども描きました。
装丁は源氏物語七巻のときにもお世話になった中嶋香織さんです。
手に取ってご覧いただけましたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
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2015年に山田太一さんのシナリオ本『ナイフの行方』(KADOKAWA)で装画を担当しました。
ブックデザイン 小口翔平+喜來詩織(tobufune)
子供の頃から山田太一さんのドラマはテレビで観てきたし、この『ナイフの行方』もリアルタイムで拝見していた作品。大好きで尊敬する脚本家であまりにも近くて遠い大きな存在でしたので、仕事の依頼をいただいたときは嬉しさと責任の重さに泣きそうになりました。
山田さんに完成した絵をお見せした際に気に入ってくださったと編集の方から伺って、信じていいものか半分だけ喜んで残り半分はもっと修行しますと心に誓ったしだいです。
脚本家のお仕事を引退されると伺ったとき、そうは言ってもまた何年かしたら2時間スペシャルかなにかで新作が拝見できるのではないかしらと、淡い期待を持っていたのですが叶いませんでした。
思い返せば私が山田太一さんの作品とも知らずに最初にハマった作品は「高原へいらっしゃい」(1976年)でした。記憶が間違っていなければ次に好きだったのが「想い出づくり。」(1981年)。「岸辺のアルバム」や「ふぞろいの林檎たち」も再放送などで拝見しつつ、記憶に新しくて面白かったのが「ありふれた奇跡」(2009年)でこれは確か録画もして何度も観た記憶があります。とても好きだった。若い人とは違う大人の恋愛の悩みとか小さな諦めみたいな寂しさを感じたり…けど独特のユーモアで人生の面白さを味わいました。
山田太一さんのドラマを観ていて思うこと。
若者と年長者、高所得者と低所得者、地元の人と他所から来た人、といったようなともすれば対立関係にあるような人たちがあるきっかけで同じ問題で向き合い本音で語り合う。それとは逆に、仲良しの仲間や家族のような「解り合っている」人たちの間ではとても大きな隠し事をしていたり裏切りがあったりする。そんな構造をはっきりと見せられ人間の意識の下のところに気付かされるような感覚。
この『ナイフの行方』シナリオ本の最後に山田さんのインタビューが掲載されていて、戦争と人間や日本人についてお話されているなかで現代の日本について「みんな優しくて冷たいから、よけいに孤独は増すと思います」と書かれていて確かにそうだなあと考えつつ、山田さんの作品の中の人たちは少しおせっかいと感じるくらいな熱で孤独な人に対して向き合って言葉を投げかける場面があって、最近はこういう熱が減ったのかもしれないなと思ったりしました。
とりとめがなくなってしまった。。
山田太一さんの作品には大事なことが何気なく詰まっているのだと思います。
たくさんの素晴らしい作品を残してくださったことに心から感謝しつつ。
とはいえ、私がまだ観ていない山田太一ドラマはたくさんあるのでこれからできるだけ観ていきたいです。
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まずは第十一回の挿絵です。
『宇治の結び 上』挿絵より
『つる花の結び 上』挿絵より
そして第十二回の挿絵です。
『宇治の結び 上』挿絵より
『紫の結び 三』挿絵より
この挿絵は数年前に刊行された荻原規子さんによる単行本 源氏物語 全七巻(理論社)で描いたもので、今回のweb連載「荻原源氏余話1000年の読書」にて再度使用されました。
全12回の無料公開は終了されましたが、現在ホームページでは第一回のみ無料で「ためし読み」ができます。
よろしかったら是非ご覧ください。
どうもありがとうございました。
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来年の大河ドラマで紫式部が主人公になることもあり、今年の1月から荻原さんのエッセイ「荻原源氏余話1000年の読書」(全12回)がWeb上で連載され、そこで本に使用された装画や挿絵を掲載くださっております。
このブログで順番に第九回までご紹介してきて(ホームページでは全12回が公開されていたのですが)全部をご紹介しきれずに11月で無料公開が終わってしまいました。
のんきに構えておりました。すみません。
現在ホームページでは第一回のみ無料で「ためし読み」できます。
(画像をクリックするとHPへ移動します)
それで、もう公開はされていないのですが第十回の画像は準備していましたので、この回を最後に挿絵をご紹介させてください。
第十回で掲載された挿絵です。
『つる花の結び 下』挿絵より
『つる花の結び 下』挿絵より
絵を担当させていただいた単行本の『源氏物語 つる花の結び』は「玉鬘十帖」のお話です。
私は奈良の長谷寺がとても好きなのですが、この玉鬘十帖の大事な場面に奈良の長谷寺が関わっているんですよね。
また奈良に行きたいなあ。
源氏物語は貴族のきらびやかな生活ばかりを想像していましたけど、意外と挿絵には植物や鳥や動物、山道とか川とか海など自然を描くことが多かったなと気づいて、当時の生活に自然の美しさが欠かせなかったんだなと思いました。手の込んだ調度品や装束にもちょっとした手紙にも、季節の植物をそっと添えることで完成させるみたいな。自然のものがなかったら味気なくなってしまうというような感覚があったのでしょうか。そんな気持ちを引き継ぎたいと思ったりもしました。
現代を生きる私が平安時代と同じ空や植物を見ながら1000年前に生きた人々を近くに感じられる物語に浸るなんて…不思議な気分。源氏物語が今も読めることに感謝します。
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若い頃はお漬物とかあんまり気にしていなかったけれど、近頃は食卓にこういう箸休め的なものがあると嬉しくなります。
千切りキャベツに塩をまぶしてガラスの瓶に詰め込んで、常温で数日置けば出来上がりだそうです。楽しみ。
季刊誌『季刊アスタ』(ポプラ社)で連載中の大島真寿美さんが本を紹介するエッセイ「本の森には…」にて挿絵を担当しております。その10月号が発行されてます。
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以前下北沢に実際にあった本屋さん。現在はもう閉店されてしまったそうですが、今回紹介された本を拝読して小説の舞台となっているその本屋さんの当時の様子を描きたいと思いまして、ネットで探し回って編集の方からも資料を観せていただいたりして描きました。あまり写真が見つからなくてこれで合っているかどうか分からないのですが。
そもそも絵としてそこまで現実にこだわる必要はないのかも(想像の中で自由に表現してもいいのでは)と思いながらも、なぜか事実を知って絵に残したいという変な欲求に動かされてしまう悪い(?)癖が私にある、ということに気づきました。
あと、当時のその本屋さんを知っている方がご覧になったら喜んでいただけるのではないか…なんて思いも抱きつつ。。
手に取ってご覧いただけましたら有難いです。
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来年の大河ドラマで紫式部が主人公になることもあり、今年一年を通して全12回荻原さんのエッセイ「荻原源氏余話1000年の読書」がWeb上で連載されています。
そこで本に使用された装画や挿絵をエッセイにご掲載くださっています。
この夏の暑さに負けて私がぼんやりしている間に回が次々と進んでおりまして、もう最後の12回まで公開されていますが引き続きここでは1回ずつご紹介していきたいと思います。今日は第九回目です。
(画像をクリックするとHPへ移動します)
(画像をクリックするとHPへ移動します)
『紫の結び 三』挿絵より
『紫の結び 三』挿絵より
上の絵は貴族の宴席で振る舞われるお酒です。銀のひさげという銚子(?)にお酒を入れて土器(かわらけ)の酒盃で飲んでいたそうです。
下の絵は几帳と屏風のある室内にいる猫。
源氏物語で猫といったら女三の宮と柏木のお話を思い浮かべます。とくに柏木という男の人生が少しずつ狂っていく過程で猫が大きく関わっているんですよね。
エッセイは無料で読むことができます。
よろしかったら是非ご覧ください。
(無料公開期間は終了いたしました。ありがとうございました。)
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著者は谷津矢車さん、デザインは岡本歌織さん(next door design)、中央公論新社より刊行です。
2019年に刊行された単行本に引き続き今回の文庫版でも絵を描かせていただきまして、デザイナーの岡本さんも編集の方も同じメンバーで再びご一緒できて有難いことだなあとしみじみ思います。
写真だと見えにくいのですが文庫の帯の下の部分がピアノの鍵盤柄になっていたりして、とっても洒落ているんです。
単行本の絵は東京音楽学校に入学したての10代半ば頃の廉太郎を描きましたが、今回の文庫本ではヨーロッパ留学前の20歳くらいの廉太郎を描くことになり写真資料を検索してみたところ、前回では見つけられなかった写真がたくさんあることがわかって驚きました。
特に文化遺産オンラインというサイトではいままで知っていた廉太郎とは少し違う印象の彼の写真を見ることができて、その写真一枚一枚が本の内容とピッタリ合っているような気がして感動しました。
本屋さんで手に取ってご覧いただけたら嬉しいです。
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来年の大河ドラマで紫式部が主人公になることもあり、今年一年を通して全12回荻原さんのエッセイ「荻原源氏余話1000年の読書」がWeb上で連載されています。
そこで本に使用された装画や挿絵をエッセイにご掲載くださっています。
私がこの夏の暑さに負けてもたもたしている間に続々と回が進んでおりまして、もう最後の12回まで公開されていますが引き続きここでは1回ずつご紹介していきたいと思います。
前回七回目をご紹介したので今日は第八回目について。
(画像をクリックするとHPへ移動します)
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『宇治の結び 上下(目次)』挿絵より
『宇治の結び 下』挿絵より
源氏物語では移りゆくそれぞれの世代で歳の近い二人の対照的な男子が登場しますが、今回のエッセイは匂宮と薫のお話でした。この二人は宇治十帖で描かれていて、とてもドラマチックなお話だったのでいろんな場面が強く印象に残っています。今回のエッセイを拝読してそんな二人の特徴とそれゆえの結末に至る苦しい物語の記憶が蘇りました。
エッセイは無料で読むことができます。
よろしかったら是非ご覧ください。
(無料公開期間は終了いたしました。ありがとうございました。)
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2011年に刊行された大島真寿美さん作の小説『ピエタ』(ポプラ社)で装画を担当いたしました。装丁は池田進吾さん。
私にとって初めての装画のお仕事でもあり、思い出深い作品です。
そんな『ピエタ』の物語が舞台になったとのこと、編集のかたにお声がけいただいて先日その舞台を観させていただきました。
写真左はチラシで右がパンフレット。チラシの絵はメグホソキさん、パンフレットの絵は生駒さちこさんです。
『ピエタ』の原稿を初めて読ませていただいた時のこと、物語の世界にすっかり入り込んでしまって読むことを止められず一気に読み終えて感動したのはいいけれど「この本の絵を私が描いていいんだろうか」と急に苦しくなって落ち込んだこと、いろんなことを思い出します。
舞台を拝見してまたひとつ『ピエタ』の大切な思い出が増えました。
ありがとうございました。。
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季刊誌『季刊アスタ』(ポプラ社)で連載中の大島真寿美さんが本を紹介するエッセイ「本の森には…」にて挿絵を担当しております。その7月号が発行されてます。
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絵はアフリカ、カメルーンのジャングル。木の枝でまどろむゴリラと木の下にはセンザンコウがいます。
今回も紹介される本を拝読しました。ゴリラが主人公のお話、突飛なようでそんなことない、有り得ることとしていろんな可能性に触れた気がします。シビレる物語でした。
手にとってご覧いただけたら有難いです。
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来年の大河ドラマで紫式部が主人公になるとのことで、今年一年を通して全12回荻原さんのエッセイ「荻原源氏余話1000年の読書」がWeb上で連載されています。
そこで本に使用された装画や挿絵をエッセイにご掲載くださっています。
その第回七目が公開されています。
(画像をクリックするとHPへ移動します)
(画像をクリックするとHPへ移動します)
『つる花の結び 上』挿絵より
『紫の結び 二』挿絵より
これは平安時代の鏡を描きました。和鏡と呼ばれているものなのかな。
背面中央の突起(裏穴ボタンのような感じ)に紐や布を通して台に取り付けているようです。
資料を調べていると、この時代の貴族の生活用品ひとつひとつが美術品のようですごいなあと思います。
今回のエッセイに登場している末摘花という姫君、様々なタイプの女性が登場する源氏物語の中で私にとってとても気になる女性でした。親しみが湧くというか、なんとなく自分と重ねて見てしまって彼女の幸せを心から願いつつ読み進めたのでした。
エッセイは無料で読むことができます。
よろしかったら是非ご覧ください。
(無料公開期間は終了いたしました。ありがとうございました。)
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来年の大河ドラマで紫式部が主人公になるとのことで、今年一年を通して全12回荻原さんのエッセイ「荻原源氏余話1000年の読書」がWeb上で連載されています。
そこで本に使用された装画や挿絵をエッセイにご掲載くださっています。
その第六回目が公開されています。
(画像をクリックするとHPへ移動します)
(画像をクリックするとHPへ移動します)
『紫の結び 二』挿絵より
『宇治の結び 下』挿絵より
平安時代の貴族たちは、現在の人たちと比べて大人びていたのでしょうか。源氏物語を読んでいて登場人物の年齢が想像していたより若いんだなと驚くことがよくありました。光源氏やその周りの人々は文学の知識や舞や楽器演奏、その良し悪しを見分ける術なども成熟しているし、言葉遣いも大人びている、なのにまだ10代20代だったりして。
日本人が長い歴史を経てどう変化してきたんだろうとか、「年相応」って言葉はあんまり使うもんじゃないのかもなとか、いろいろ考えてしまいます。
エッセイは無料で読むことができます。
よろしかったら是非ご覧ください。
(無料公開期間は終了いたしました。ありがとうございました。)
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来年の大河ドラマで紫式部が主人公になるとのことで、今年一年を通して全12回荻原さんのエッセイ「荻原源氏余話1000年の読書」がWeb上で連載されています。
そこで本に使用された装画や挿絵をエッセイにご掲載くださっています。
その第五回目が公開されています。
(画像をクリックするとHPへ移動します)
(画像をクリックするとHPへ移動します)
『紫の結び 二』挿絵より
『紫の結び 三』挿絵より
源氏物語に登場する女性の性格はさまざまで、男女間の駆け引きだけでなく女性同士の争いのようなことでも個性があり、読みながら自分だったらどうしただろうか…などと考えるのも楽しみでした。今回のエッセイを拝読すると、物語の外側でも紫式部は清少納言から刺激を受けていた様子。二人はどんな性格だったのだろう。1000年も前の人々への想像が広がります。
エッセイは無料で読むことができます。
よろしかったら是非ご覧ください。
(無料公開期間は終了いたしました。ありがとうございました。)
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